一般的には、穴あきコンクリートブロックとか透かしブロックなどと言われていますが、沖縄では「花ブロック」という呼び方が主流です。
「花」と「ブロック」という有機物と無機物を掛け合わせた何とも沖縄らしく愛らしいネーミングだと思いませんか。
一説によると花はフラワーではなく、沖縄の伝統的な織物である{花織}(はなうい)の連続的な模様やパターンから来ているという説もあります。
近代以降の沖縄の伝統的な建築には欠かせない特徴的な建材で、主にコンクリートで作られ、表面に花や幾何学模様のデザインが刻まれているのが特徴です。
特に戦後の1950年代から60年代にかけて、沖縄で住宅や店舗の壁に多く使われ、今では沖縄らしさを象徴する建築素材として広く認知されています。
そして、この花ブロックは、見た目の美しさだけでなく、実用的な機能も兼ね備えています。通気性が良く、風通しを良くすることで、湿気が多い沖縄の気候でも快適な空間を作り出してくれます。
また、花ブロックに開けられた模様には、風を通し、日差しを和らげると同時に光と影のコントラストが織り成す視覚的な効果もあります。
最近では、沖縄の伝統的なデザインとして再評価され、観光地や新しい建築に使われることも増えています。
花ブロックは、単なる建築素材としてだけでなく、沖縄の文化や歴史を身近に感じさせてくれる大切な存在でもあるのです。