2024.3.19

建築士 金城健雄のけんちくどんどん vol 01:クチャ



最近では、石鹸やクレイパックの原料としてのクチャが有名ですが、沖縄の建築業界では、古くから建物を支える硬い地盤としてのクチャ(島尻泥岩)の方がよく知られています。
建築の現場で地面を掘り、「クチャが出ているから地盤は上等だね。安心さぁ。」などと言ったりします。(杭の支持層としても同様)
島尻泥岩は、約500~600万年前頃から海底に堆積した砂や泥の層が隆起によって地上近くに現れた地層だそう。



掘り出したばかりの土は、青みがかったグレー色ですが、鉄分を多く含むので燃焼すると赤くなる性質があるので、お馴染みの沖縄らしさの象徴である赤瓦の原料としても活用されています。
クチャの主成分としては、雲母、スメクタイト、クロライト、カオリナイトです。
長い年月をかけて海底に堆積したことで海洋生物の100ミクロン以下の微粒子が毛穴の汚れを吸着し、さらにミネラルも豊富に含んでいるので美容に効果があるとされています。
まさに建物とお肌の基礎を支えているというクチャのお話でした。