久しぶりに寒が戻った先週末土曜日の午後
琉球大学の学生会館にて建築家 伊礼智さんの講演会が行われました。
閑散とした外のキャンパスとは対照的に、学生からベテランまで
幅広い世代の建築関係者で熱気に帯びた会場からも、その関心
の高さがうかがえました。
講演の冒頭、今日は作品を紹介するというよりもネタばらしを
したいという言葉通り、沖縄の古民家や歴史的建造物をはじめ
京都の老舗旅館まで、ご自身の実体験や師と仰ぐ人物の言葉を語り、
ヒントとした空間を惜しげもなく、ひとつひとつ丁寧に紹介する
そのやさしい語り口にお人柄と建築に対する深い愛情を感じました。
何よりも、デザインソースとした物・空間・人への鋭い洞察と深い尊敬の
念が、ご自身の作品にうまく昇華されていてる点がすばらしくもあり、
すがすがしく感じました。
「眼を養い 手を練れ」
その通りですね。
伊礼智(いれい・さとし)のプロフィール
1959年沖縄県生まれ。1982年琉球大学理工学部建設工学科卒業後、
東京芸術大学美術学部建築科大学院修了。丸谷博男+アーアンドエーを経て
1996年伊礼智設計室開設。
日本大学生産工学部建築工学部「住居デザインコース」非常勤講師。
著書に「オキナワの家」(インデックスコミュニケーションズ)、
「伊礼智の住宅設計作法 小さな家で豊かに暮らす」(新建新聞社)がある。